自然と幻想の楽しいお話

ファンタジックネイチャー

世界各地に伝わる神秘と幻想に包まれた民話や伝承の数々。それは不思議と懐かしさや安らぎを与えてくれます。もしかしたら人々の自然に対する特別な思いが込められているからなのかもしれません。そんな自然にまつわる楽しいお話、そして自然と幻想とをつなぐ神秘の扉を、ほんの少しだけ開いてみることにしましょう。

神話の中に生きる幻想の生命たち

古くから語り継がれる世界の民話の中には数多くの不思議な存在が登場してきます。炎の精霊サラマンダー、聖龍ケツアルカトル、怪蛇バジリスク……、実は自然界に実在する生き物の中にも彼らの名を冠するものたちがいるのです。ファンタジックネイチャーでは、神話から飛び出してきたかのような魅力的な生き物たちが、時空を越えて自然と幻想を結ぶロマンチックな世界をご案内していきたいと思います。

サラマンダー(サラマンドラ)

高名なる錬金術師パラケルススは万物を、地、水、火、風の4元素からなると提唱しました。地の精霊ノーム、水の精霊ウンディーネ、風の精霊シルフ、そして火の精霊サラマンダーです。サラマンダーは火トカゲとも呼ばれ、その姿形については諸説あり、元は小さなトカゲのような生き物とされていたのが、次第に竜のような巨大なものに変わっていったようです。サラマンドラとも呼ばれ、NHK「みんなのうた」で知られるところとなりました。

このサラマンダーの名を冠する動物、それがファイヤーサラマンダーです。学名はその名もサラマンドラ・サラマンドラ。ヨーロッパに生息するイモリに近い生き物で、湿った陸地を好んで暮らしています。しばしば火の中を動き回る姿を目撃されることから、火トカゲ、つまりサラマンダーと結びついたようです。おそらく木にとまっていたところを逃げ遅れて火にくべられてしまったのでしょう。黄色と黒のマダラ模様がとても目立つ派手な生き物です。耳の後ろから毒を分泌するため、外敵に警告するためにこのような姿をしていると考えられていますが、つぶらな瞳の、とても可愛い生き物です。

ケツアルカトル(ケツァルコアトル)

ケツアルはマヤ文明にゆかりのグァテマラに伝わるヘビです。雲を由来とするとされ、そのため羽毛に身を包まれていると言われます。ケツアルはグァテマラの通貨単位にもなっていて、今なお人々の生活に根付いています。そしてケツアルを束ねるのがケツアルカトル。古代メキシコを統べる伝説の神で、宇宙や人類を創造し、また、農耕にも深く関わっているとされています。

メキシコにはケツアル(ケッアール)という鳥が存在します。深い霧の森にすむ神秘的な幻の鳥で、世界で最も美しいとされ、大きさは1メートル、背面はメタリックなエメラルドグリーン、腹面はビロードのような深い赤をたたえ、そして神々しいばかりの見事な長い尾羽を持っています。皮膚が弱く羽根が落ちやすいため、博物館などでは標本の展示に苦労するようです。ケツアルの仲間には何種類かいますが、マヤ文明の時代から今日に至るまで手厚く保護されているにも関わらず生息数の少ない希少種です。なお、グァテマラで通貨単位にケツアルが使われるのは、この鳥がグァテマラの国鳥だからです。

ところでケツアルを束ねるとされる伝説の神ケツアルカトルですが、その名を冠する驚異の生命体が古代の地球には存在していました。その生物、ケツアルカトルは、地球史上最大の空飛ぶ生物で、翼開長が12メートルにも及ぶ超巨大翼竜です。巨大翼竜として知られるプテラノドンをはるかにしのぐその大きさは、まさにケツアルカトルの名にふさわしい生き物と言えるでしょう。

ヒュドラ(ヒドラ)

ギリシャ神話において、アルゴスの南に位置するレルネの沼に棲むのが、9つの頭を持つ猛毒のヘビ、ヒュドラです。この怪物の両親は世界の両端にも届くほどの巨大な大怪物テュホンと、数多の怪物たちの母エキドナとされ、兄弟には合成獣キマイラ(キメラ)、地獄の番犬として知られるケルベロス、エジプトのピラミッドで有名なスフィンクスがいます。ヒュドラは首を落とされても次々に新しい頭が出てくる恐るべき怪物でしたが、ヘラクレスは切った首の根元を炎で焼き、これを退治したとされています。無敵の英雄として名高いヘラクレス、でも最後はヒュドラの猛毒を帯びた衣によってその身を失い、魂は天界にのぼって神となったそうです。

ヒュドラに由来する実在の生物がヒドロ虫綱のヒドラです。イソギンチャクと同じ腔腸動物ですが、ヒドラは淡水に棲む生き物です。1センチほどの大きさですが、イソギンチャクを細長くしたような姿で、何本もの長い触手がゆらゆらと水中で獲物を待ちかまえ、ミジンコや魚の稚魚などを襲って食べます。水草などに付着し、まるで動けないように見えますが、触手を器用に使いながらじわじわと移動することもできる、なんとも奇妙な生き物です。

ヒドラはその触手がゆらめく様子が、まるで伝説の怪物ヒュドラのようですが、実は見た目だけではありません。切っても切っても再生し、それどころか、バラバラに切り裂けば、その断片の全てがそれぞれ完全なヒドラとして復活します。まさに怪物以上の再生力、事実は伝説より奇なりといったところでしょうか。

バジリスク(バシリスク)

古代ローマの大博物学者プリニウスの記した至宝の博物誌、そこに登場する砂漠の怪物がバジリスクです。頭に王冠の紋を持つ怪蛇で、その名は小さな王を意味し、猛毒の息を吐き、目を合わせると命を奪われるとされています。また、コカトリスと呼ばれることもあり、エジプトではヘビの尾を持つ4本足のニワトリだと伝えられています。

こんな恐ろしい怪物ですが、バジリスクの名を与えられたトカゲがいます。中南米に生息するトカゲで、オスの頭には立派なとさか状の飾りがあり、バジリスクの頭にあるとされる王冠の紋にも、コカトリスのとさかにも見えます。70センチになりますが、半分以上は尾です。実際のバジリスクは危険な生き物ではありませんが、伝説の名を冠するくらいですから、やはりただ者ではありません。二本足で、しかも、すごい速さで走れる上に、なんと水上をも走ってしまうのですから驚くばかりです。

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